追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 付き合いの長いルークは、俺の毛むくじゃらの顔面からでも、おおよその感情を読み解く。
「ガウーッン!」
 俺はルークに駆け寄ると、必死になって身振り手振りで事の次第を説明した。
「……んーと、要約すると、その姿を誰かに目撃された、ってことでいいか?」
 よかった、伝わった!! 俺は顔をぶんぶんと縦に振って同意した。
「なぁカーゴ、ここまできたら、いっそのこと――」
 顎に手をあてて考え込んでいたルークが何事か言いかけたところで、庭の入口から件の少年が我が家の敷地に飛び込んで来た。
 どうやら少年は覗き見をやめた後、正面の入口に回り込んで来たらしかった。
「ごめんくださーい! ねぇお兄さん、そいつ、ここで飼ってるの? そいつ、大きすぎない!?」
 ルークに向かって、少年が声高に叫んだ。正面きった少年の問いかけに、俺は蒼くなった。
 ……絶体絶命のこのピンチを、果たしてルークはどんないい訳で乗り切るつもりか!?
 ルークがスッと進み出て、少年と俺の間に立つ。俺は裁可を待つかのように、恐々と身を縮めた。
< 6 / 216 >

この作品をシェア

pagetop