追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
 ……なんとなく、ルークには俺の痛みも心の葛藤も、全部バレているのだろうと、そう思えた。
「権力を盾にしてアイリーンを婚約者に強行決定することも、やろうと思えば出来る。だけどお前は、絶対にそんな手段を取らない。やっぱりお前は、絶対に賢帝になるさ。……もっとも、十八までそのままだったら必然的に臣下決定だけどな、ネコちゃん?」
 っ! 珍しく俺を持ち上げてみせるルークにすっかり油断していれば、最後に特大の爆弾を投げられた!
 やっぱり前言は撤回で、ルークに俺の苦しみなんか、わかりっこない――!
 俺を「ネコちゃん」と呼び、ニヤニヤと悪い笑みを浮かべるルークに、殺意を覚えた。怒りに任せ、ニヤニヤ顔のルークに、思いっきり尾っぽアタックを見舞ってやった。
「アデッ!」

 翌朝、俺はアイリーンたちの見送りに立っていた。
「あなたをひとり残して行ってしまうこと、本当にごめんなさい。だけど、そう長くは待たせないから。クロフの弟さんに食欲と元気が戻ったら、すぐに帰ってくるわ。だからしばらく、お留守番をお願いね」
 旅装に身を包んだアイリーンが、俺をギュッと抱き締めて告げる。
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