追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
俺もモフモフの前足でアイリーンを抱き返し、「早く帰って来いよ」「道中、くれぐれも性悪オオカミに気をつけるんだぞ」と、こんなふうに伝えた。
「大丈夫よ。あなたのご飯は、おばあちゃんが腕によりをかけて作ってくれる。甘い物だって、シーラさんが差し入れをするって張り切っていたから、なんにも心配いらないわ」
……俺の真意が正しく伝わらないことが、もどかしかった。俺は悲しい心の内を誤魔化すように、アイリーンに回した前足に力を篭めた。
その時、アイリーンの後ろに立った奴が、俺を小馬鹿にするように鼻でフッと笑うのを、視界の端に捉える。俺は奴を睨みつけ、いつかその鼻っ柱をへし折ってやるからな!と、目線で吼えた。
「そろそろ出るぞ!」
馬車の御者台から、ルークが叫んだ。
「はーい!」
ルークの言葉を受けて離れていくアイリーンの腕を、俺は名残惜しく見つめていた。するとアイリーンが、その手でそっと俺の頬のあたりに触れる。
「私たちの留守中、風邪を引いたりしないようにね。くれぐれも体調に、気をつけて」
優しく撫でられて、労わりの言葉をもらう。俺はうんうんと頷きながら、アイリーンの手にスリスリした。
「大丈夫よ。あなたのご飯は、おばあちゃんが腕によりをかけて作ってくれる。甘い物だって、シーラさんが差し入れをするって張り切っていたから、なんにも心配いらないわ」
……俺の真意が正しく伝わらないことが、もどかしかった。俺は悲しい心の内を誤魔化すように、アイリーンに回した前足に力を篭めた。
その時、アイリーンの後ろに立った奴が、俺を小馬鹿にするように鼻でフッと笑うのを、視界の端に捉える。俺は奴を睨みつけ、いつかその鼻っ柱をへし折ってやるからな!と、目線で吼えた。
「そろそろ出るぞ!」
馬車の御者台から、ルークが叫んだ。
「はーい!」
ルークの言葉を受けて離れていくアイリーンの腕を、俺は名残惜しく見つめていた。するとアイリーンが、その手でそっと俺の頬のあたりに触れる。
「私たちの留守中、風邪を引いたりしないようにね。くれぐれも体調に、気をつけて」
優しく撫でられて、労わりの言葉をもらう。俺はうんうんと頷きながら、アイリーンの手にスリスリした。