追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「……あたしのご飯は、白ちゃんの舌に合わないのかねぇ」
老婆のこぼした悲しそうな呟きにハッとして、俺はガバッと頭を上げた。
「ばあさんの飯が食えねえとは、ふてえネコだ」
老爺の呟きは、聞こえなかったことにした。
ともあれ、老婆を悲しませるのは、まったくもって本意ではない。俺はブンブンと首を横に振り「そんなことはない!」と伝え、目の前に置かれた煮っころがしを頬張った。
「あれま。こりゃ、あたしの取り越し苦労だったかねぇ。美味しいかい、白ちゃん?」
「ガウッ!」
俺は、老婆の振舞う茶色いフルコースを完食した。
「ごちそうさま」をして、老夫婦の家を後にする。ロッジに帰る途中、足を止めて見上げた空は、今日も抜けるような晴天だった。
降り注ぐ陽光を浴びていれば、目がじわりと潤んだ。
慌てて目線を地面に落とし、前足でこっそりと涙が滲む目もと拭う。
……違うんだからな! この涙は、悲しいからじゃないぞ。獣の目に、太陽の光が沁みただけだ!
俺は誰に聞かせるでもなく、心の中で弁解を叫んだ。
老婆のこぼした悲しそうな呟きにハッとして、俺はガバッと頭を上げた。
「ばあさんの飯が食えねえとは、ふてえネコだ」
老爺の呟きは、聞こえなかったことにした。
ともあれ、老婆を悲しませるのは、まったくもって本意ではない。俺はブンブンと首を横に振り「そんなことはない!」と伝え、目の前に置かれた煮っころがしを頬張った。
「あれま。こりゃ、あたしの取り越し苦労だったかねぇ。美味しいかい、白ちゃん?」
「ガウッ!」
俺は、老婆の振舞う茶色いフルコースを完食した。
「ごちそうさま」をして、老夫婦の家を後にする。ロッジに帰る途中、足を止めて見上げた空は、今日も抜けるような晴天だった。
降り注ぐ陽光を浴びていれば、目がじわりと潤んだ。
慌てて目線を地面に落とし、前足でこっそりと涙が滲む目もと拭う。
……違うんだからな! この涙は、悲しいからじゃないぞ。獣の目に、太陽の光が沁みただけだ!
俺は誰に聞かせるでもなく、心の中で弁解を叫んだ。