追放された悪役令嬢ですが、モフモフ付き!?スローライフはじめました2
「ああ、おかしいくらい、でかいだろう? 俺も飼い始めた時はまさか、こんなにでかく成長するとは思ってもいなかった」
 まさか、ルークはケロッと俺の存在を認め、でかいだけだと主張する――! しかし、普通に考えてペットが四メートルに成長するのは無理がある。
 俺は、この後取るべき選択に考えを巡らせた。
 ……やはり、俺はこの村を出るしかないのか?
 いくつかの選択肢の中、この村を出るという最悪のシナリオを思い描き、ションボリと背中を丸めた。
「やっぱり、ここで飼ってたんだね! ねぇ、そいつ噛みついたりしない?」
「しない。でかいだけだ」
「やっぱりそうなんだ! 僕もね、最初は凶悪な毛むくじゃらって思ってたんだけど、途中からなんか大人しそうだなって気がしてたんだ。そっかぁ、おっきいだけか!」
「ああ。でかいだけで、基本的には大人しくて飼いやすいぞ」
 ところがだ、俺の予想に反して、ふたりの会話は予期せぬ方向に転がっていた。
 ルークは整然と「でかいだけ」と繰り返し、少年はそれに疑念を抱く様子もなく素直に頷く。
 俺の目から、ウロコがぽろぽろと落ちた。
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