かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「解ってるって。いいんじゃない? そのまま誤解させておけば。そのうち柚実への気持ちも段々昂って、純くんも瞬先輩みたいに感情爆発、強行手段に及ぶかも~ふふふ」
 弓佳は、縦縞の入ったユニフォームを私の前で何の恥じらいもなく着替えた。
 赤いブラジャーが眩しかった。
「いや、そんな……。それより、瞬となっちゃんは何の進展もないのね?」
 以前、なっちゃんは瞬に本気でアタックするとか言っていたのだ。
 もっとも、私の煮え切らなかった態度にイライラしての発言かもしれないけれど。それでも私と瞬が別れたとならば、彼女も本気を出しているかもしれないということだ。
「ああ、なっちゃんは部内で別の好きなひとができたって云ってたなぁ」
< 171 / 400 >

この作品をシェア

pagetop