かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 車は家の前で停まった。
 もう、きっと高野先生とふたりで、こうして出かけることは二度とないだろう。
 先生はまだ、元カノのことが好きなのだ。
 そして、それはあたらしい彼女ができたからと言って、忘れられる感情じゃない。
 私も、高野先生を好きになれば、誰かさんのことを忘れられると思っていた。
 だけど、違う。
 アイツに対する感情は増すばかりだ。
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