かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 先生は、ゆっくりと私のあたまを撫でた。
「黒沢には逆に諭されてしまったな。まだまだだ、俺も。――すまんな。俺の事情に巻き込んで……」
 私は最期ににっこりと笑って言った。
「ひと夏の思い出」
 先生も優しくにっこりと笑った。
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