かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 ぱっとスクリーンに映し出されたのは、携帯の電源はお切りくださいというアナウンス。 
 私は、映画をこの日に選んでよかったと思うのだった。
 弓佳たちの部活のお陰で、こうやって遅い時間に外に出ていたこと。
 それから、あまりチェックしない携帯に触れることができたから、だ。
 私は、電話は着信音が鳴ったらぱっと出る質。
 でも、メールとかラインは気づかなかったらそのままのことが多いのだ。
 だから、この時間に携帯の存在に気づかせてくれた映画アナウンスに感謝することになる。
 なぜなら――。
 ラインの着歴があって、何気なく開いてみると、圭吾先輩からメッセが来ていたのだった。
 圭吾先輩とは、瞬と純と3人で組んでいるバンドのドラマーだ。
 おや、珍しい。何事か。
 そう思い、画面を開くと――。
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