かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 英語の歌だ――サティスファクション、と何度も繰り返している。
 あの純が、にこにことしている!
 よっぽど楽しいのだろう、そして哀しいのだろう。
 最期のライブを目一杯遣りきろうとしているのが解る。
 私はまるで、覚えたての恋のように、胸を高鳴らせて純を見ていた。
 ぴょんぴょんと跳ねる瞬も、笑顔。
 いつも笑顔の圭吾先輩は、いつも以上に笑顔。
 何だかこっちまで幸せな気分になってくる。
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