かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「これで、進路とか、人生まで決まると思うよ」
 純は、朴訥とした口調で諭してくれる。
「――あんがと」
 私は一応お礼を言い、ふああとあくびをしながら、手許のシャープペンの芯をちきちきと出した。
英数国は、一律。2学年時の社会は日本史と決められている。選択をしなければならないのは、理科項目と、美術項目だ。
 美術――絵心、なし。音楽――音感、なし。じゃあ、と消去法で決めたのは書道だ。
 そして、理科。
 生物、地学、化学、そして物理。
 基礎生物は、高1の時にとった。
 元々、要領のいい私は、暗記系の科目はすんなりといい点をとっていた。
 だから、去年の成績はトータルで学年5位には入っていた。
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