かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 私は祐太の家を後にして、しばらく歩いたコンビニの前で純に連絡することにした。
『今何してますか。夜空いてませんか』
 そんなメールを送った。
 思わず敬語になってしまったのは、それだけ私と純の距離が広まってしまっている証拠だと、送信画面を見て思った。
 私はとりあえず駅の方へ出ようと、純の返事も待たずに歩き出す。
 時折、さっきの送信画面を見て、既読になってないかと確認した。
 まだ、怒ってるかな。
 もう私のこと、必要としてないかな。
 友だちとして、恋人として、詞の書き手として。
 色々思うことはあった。
 でもあれこれ思う度に、純への気持ちは高まる。
 やっぱり、好きだ。
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