かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 ひとつは私で、もうひとつは純。
 ふたり、胸のなかで揺れている。
「純も、今日誕生日でしょう。9月2日。おめでとう。去年はマドレーヌだったけど、今年はそのお花あげる」
「覚えてたの」
「忘れてないよ」
 だって。祐太と純が同じ誕生日だという奇跡。
 これは何かの縁でしかないと、実は前々から思っていた。
 純は照れくさいのか、そっぽを向いた。
 じゃあね、と私は言おうとした。久しぶりに純と話せてよかった。
 そう思ったからだ。
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