かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「腹減ったな」
 そして大きく伸びをして、彼は言う。
「どっかファミレスでも寄るか」
 私の顔を見ずに誘ってくる。
「いいの?」
「何が」
「私といてくれるの」
“オマエが、解らない”と言われ、すっかり疎遠になってしまった。
 もう、私を許してくれるのだろうか。
「俺も、話したいこと、あるし」
 本当に本当の絶縁宣言だろうかと、私は身を固くする。
「行くぞ」
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