かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 純と楽器屋に行ってから、深い話はしていない。
 そろそろ純という電池が切れてきたと思い、私はその放課後彼を呼び出した。
 場所は、屋上へ続く非常階段。
 初めて純と出会った場所だ。
「その後、どうだった? よさげなバンドあった?」
 座って話すのも待てなくて、私は階段を上がりながら彼に尋ねる。
 衣替えの季節ももうすぐだ。
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