婚約者は霧の怪異
「って言うか私がくっつきすぎて鬱陶しかったら遠慮しないでちゃんと言ってよね!?」
「今度は突然どうした」
観覧車はもうとっくに下りに入っている。とうとう怜音からの返信はなかった。
「ほら、最近私ちょっとくっつきすぎッていうか、甘えすぎっていうかだからそういうのが恥ずかしくなる時があるの」
「何を恥ずかしがる事がある? それに2人で座っているだけの時間、好きじゃないならあんなに毎日のように時間を割かない」
それを聞いて少しだけ安堵する。
「銀河に言わせてみれば、恋愛に現を抜かしている私の方こそガラじゃなくて気持ち悪いらしいぞ」
「え? そんな事言ってたの? 私には今の三栖斗の方が好きだって言っていたけど」
「まあ、それも含めて理解しているよ。心配ない」
降り場が近づく。結局怜音からの返信はなかった。
ゴンドラを降りて、出口へ進み外で3人を待っていると、何かを熱く語り合いながら怜音達が歩いて来る。
「おかえり、何の話してたの3人で。ずいぶん盛り上がってるみたいだけど」
「あっ、メッセージ気づかなかったごめん! あのね、銀河くん超話せるの!」
「何が?」
「「スキンケアの話!」」
興奮した様子の怜音と晴香がハモった。
◇
「楽しかった~!」
バスに乗り込み、滋賀のホテルへ。
ホテルに入って荷物だけ置いたらすぐ食事となり、その後に改めて各部屋へ。部屋割りは2~3人ずつで、私と怜音と晴香が同じ部屋になった。
部屋にもシャワーはついているけど、クラスごとに決められた時間で大浴場を使っていい事になっていて、私たちはその時間までひとまず部屋に置いてあったペットボトルの水を飲みながらのんびりと着替えのジャージを準備する。
「いやあ、銀河くんと喋ってると本当にどんな話も合うし楽しいんだって」
「まだ言ってる」
興奮気味に話す怜音に、私は笑って返す。
「ね。見た目的にちょっととっつきにくいイメージあったけどさ、実は顔いいし……いいよね」
「えっ? 晴香もしかして銀河くん狙い?」
「え? 嘘でしょ」
ちょっとそれは厄介だぞ。そ思っていると、晴香は「違う違う!」と手を振った。
「だよねーー! よかったぁーー」
怜音が脱力しながらベッドにダイブする。……ん?
「“よかった”って?」
「え……だって、銀河くん、ちょっといいなぁって」
「今度は突然どうした」
観覧車はもうとっくに下りに入っている。とうとう怜音からの返信はなかった。
「ほら、最近私ちょっとくっつきすぎッていうか、甘えすぎっていうかだからそういうのが恥ずかしくなる時があるの」
「何を恥ずかしがる事がある? それに2人で座っているだけの時間、好きじゃないならあんなに毎日のように時間を割かない」
それを聞いて少しだけ安堵する。
「銀河に言わせてみれば、恋愛に現を抜かしている私の方こそガラじゃなくて気持ち悪いらしいぞ」
「え? そんな事言ってたの? 私には今の三栖斗の方が好きだって言っていたけど」
「まあ、それも含めて理解しているよ。心配ない」
降り場が近づく。結局怜音からの返信はなかった。
ゴンドラを降りて、出口へ進み外で3人を待っていると、何かを熱く語り合いながら怜音達が歩いて来る。
「おかえり、何の話してたの3人で。ずいぶん盛り上がってるみたいだけど」
「あっ、メッセージ気づかなかったごめん! あのね、銀河くん超話せるの!」
「何が?」
「「スキンケアの話!」」
興奮した様子の怜音と晴香がハモった。
◇
「楽しかった~!」
バスに乗り込み、滋賀のホテルへ。
ホテルに入って荷物だけ置いたらすぐ食事となり、その後に改めて各部屋へ。部屋割りは2~3人ずつで、私と怜音と晴香が同じ部屋になった。
部屋にもシャワーはついているけど、クラスごとに決められた時間で大浴場を使っていい事になっていて、私たちはその時間までひとまず部屋に置いてあったペットボトルの水を飲みながらのんびりと着替えのジャージを準備する。
「いやあ、銀河くんと喋ってると本当にどんな話も合うし楽しいんだって」
「まだ言ってる」
興奮気味に話す怜音に、私は笑って返す。
「ね。見た目的にちょっととっつきにくいイメージあったけどさ、実は顔いいし……いいよね」
「えっ? 晴香もしかして銀河くん狙い?」
「え? 嘘でしょ」
ちょっとそれは厄介だぞ。そ思っていると、晴香は「違う違う!」と手を振った。
「だよねーー! よかったぁーー」
怜音が脱力しながらベッドにダイブする。……ん?
「“よかった”って?」
「え……だって、銀河くん、ちょっといいなぁって」