シークレットシープ
ちらりと私の方を振り返った深沢君。
そんな彼の目の下にはほんの少し疲れの色が見えた。
.。☆
ーーーーキュッキュッ
ーーーーバンッ
体育館シューズが磨きあげられた体育館の床を鳴らす音と、ボールが地面にぶつかる音が響く。
「りっちゃんナイスボレー!!」
「ありがとう!!」
ただいま、5限目の体育の授業中。
女子も男子も半面ずつコートを使ってバレーをしている。
コートの数の関係上、試合をできるのは4チーム。
試合をしていないチームの、観戦をしている子たちの中には、男子コートに気をとられている子もいる。
サーブを打つため、ボールをもってコート端に移動しているときにステージの上で楽しげに男子コートを見ているクラスメイトが視界に入り、苦笑した。
バレたら先生に怒られちゃうよ?
「りっちゃん入るよー!」
「はーい」
チームメイトの声に私は返事をしてサーブの構えをする。