シークレットシープ
「今日の放課後、一緒に勉強しない?テストも近いし」
優しく微笑みながらそういう笹野君。
「えっ、じゃあその勉強会、あたしも参加したい!!成績トップクラスのふたりに勉強教えてもらえたら最強じゃん!!」
……なぜか小鳥が盛り上がってるけど。
私は首を左右に振った。
「私は多分役に立てないから……。笹野君の方が私よりよっぽど頭いいから、小鳥も笹野君とマンツーマンで勉強した方がはかどるよ。それに……」
「それに?」
小鳥の投げかけに、私は苦笑をひとつ浮かべた。
ちらりと隣の席で眠る問題児を見て、
「多分、この人次の授業も寝続けるから。ノート、見せてあげないと」
「えーっ!!梨良がそこまでしてあげる必要あるの!?」
「うーん……してあげないといけない、とか、そういう責任感があるわけじゃなくて。してあげたいなっていう、私のワガママだから。ごめんね、小鳥。一緒に勉強できなくて」