シークレットシープ



小鳥さん……さっきまで笹野君のギャップに少し触れて驚いてなかった……?
それなのに悩殺されるって……。

単純だなぁ……。
それも小鳥のいいところではあるんだけど。

思わず苦笑してしまった。



「そんな、おとぎ話のセリフみたいなこと言われてないよ。しいて言えば……」


悪口?
脅迫?

うん。
気に食わないから何かしてやるぞっていう脅迫かも。



「しいて言えば、何?」


「あー……いや……残念だよって感じのことかな」


「あっ、梨良と勉強できないからか」



脅迫とか悪口言われたって言ったら、小鳥はすごく心配するだろうから。
すこしごまかした。

まあ、「気に食わない」ってことは「自分の思い通りにならなくて残念」っていうのと同義だろうし。


嘘は言ってないから許してね、小鳥。


そういえば……。



「深沢君、いつから起きてたの?」


「……あいつがお前の席に来たあたりから」





< 22 / 61 >

この作品をシェア

pagetop