シークレットシープ
小鳥さん……さっきまで笹野君のギャップに少し触れて驚いてなかった……?
それなのに悩殺されるって……。
単純だなぁ……。
それも小鳥のいいところではあるんだけど。
思わず苦笑してしまった。
「そんな、おとぎ話のセリフみたいなこと言われてないよ。しいて言えば……」
悪口?
脅迫?
うん。
気に食わないから何かしてやるぞっていう脅迫かも。
「しいて言えば、何?」
「あー……いや……残念だよって感じのことかな」
「あっ、梨良と勉強できないからか」
脅迫とか悪口言われたって言ったら、小鳥はすごく心配するだろうから。
すこしごまかした。
まあ、「気に食わない」ってことは「自分の思い通りにならなくて残念」っていうのと同義だろうし。
嘘は言ってないから許してね、小鳥。
そういえば……。
「深沢君、いつから起きてたの?」
「……あいつがお前の席に来たあたりから」