シークレットシープ
かなり前から起きてたのね……。
で、狸寝入りして盗み聞きしてた……と。
「趣味悪いことするね」
そう言うと、深沢君は「うっせ」と言ってまた机に伏せてしまった。
おーい……。
せっかく一度起きたんだからそのまま起きていようよ。
ちゃんと授業受けようよ。
そう言っても彼は絶対に私の言う事なんて聞かない。
小さくため息をついて肩をすくめた。
そして迎えた放課後。
結局、笹野君は通っている塾の自習室で勉強するらしく、さっさと教室から出ていった。
小鳥は図書室で勉強するらしい。
教室にはちらほらとテスト勉強をするクラスメイトの姿がある。
どうしても、テスト前にこの教室でふたりきりになることはできない。
カバンに教科書やノートを詰め込んで、私は立ち上がる。
そして、教室から出てある場所へ向かう。