シークレットシープ
会計を済ませた後、レジの人が割れないようにとグラスを包装してくれているのを、深沢君とふたり並んで眺める。
「お前、絶対ああいうのできないだろ」
「ああいうのって?」
「プチプチで綺麗に包んだりするの」
店員さんの手元を見ながらそういう深沢君。
……プチプチって。
深沢君が、プチプチって言った。
「ふっ……ふはははっ、あはっ……あははは!!」
やばい、なんだか笑えてきた。
「……バカにされてんのになんで爆笑してんの?」
「いやっ、ちが……あはははっ!!」
笑いすぎて目尻に浮かんできた涙を指先でぬぐってから、なんとか息を整える。
また笑い出しそうになるのをこらえつつ、
「だって、深沢君がプチプチなんて可愛い言葉使うから……」
そう言うと、軽いデコピンを食らった。
「……はい、お待たせいたしました。すごく仲良しなんですね」