シークレットシープ
ひつじが3匹
オフホワイト
【梨良Side】
「……で、明日のLHRの時間に修学旅行でする自然体験のどれをしたいか希望をとってほしい」
外は大雨。
電気をつけていても少し暗く感じる視聴覚室で、10月にある修学旅行についての会議が今行われている。
出席してるのは各クラスの学級委員。
まだ6月だけど、もう修学旅行について決めないといけない時期なのか……。
「それじゃあ今日の委員会はそれで終わり。お疲れ様でした」
その先生の言葉を皮切りに、椅子を引く音が教室中に響き、あっという間に他のクラスの学級委員は視聴覚室を出ていってしまった。
教室に残されたのは、配られた資料を頬杖をついて眺めている笹野君と、それを眺めている私。
するとふいに笹野君が資料から顔を上げ、眼鏡のレンズ越しに私と目があった。
「……めっちゃ俺のこと見てるけど、何かついてる?」
「ううん。皆教室から出たのに、よく集中して資料見てるなって」
「……浦部さんとふたりきりになりたかったから、皆が出るのを待ってた」
冗談っぽく笑ってそう言う彼。
口がうまい人だなぁ。
深沢君は天と地がひっくりかえってもこんな言葉は言わないよ。
「……で、明日のLHRの時間に修学旅行でする自然体験のどれをしたいか希望をとってほしい」
外は大雨。
電気をつけていても少し暗く感じる視聴覚室で、10月にある修学旅行についての会議が今行われている。
出席してるのは各クラスの学級委員。
まだ6月だけど、もう修学旅行について決めないといけない時期なのか……。
「それじゃあ今日の委員会はそれで終わり。お疲れ様でした」
その先生の言葉を皮切りに、椅子を引く音が教室中に響き、あっという間に他のクラスの学級委員は視聴覚室を出ていってしまった。
教室に残されたのは、配られた資料を頬杖をついて眺めている笹野君と、それを眺めている私。
するとふいに笹野君が資料から顔を上げ、眼鏡のレンズ越しに私と目があった。
「……めっちゃ俺のこと見てるけど、何かついてる?」
「ううん。皆教室から出たのに、よく集中して資料見てるなって」
「……浦部さんとふたりきりになりたかったから、皆が出るのを待ってた」
冗談っぽく笑ってそう言う彼。
口がうまい人だなぁ。
深沢君は天と地がひっくりかえってもこんな言葉は言わないよ。