シークレットシープ
「……笹野君は、自然体験何にするの?」
「あ、わざと話しそらしたでしょ。いいけど」
ぐんっと伸びをして、メガネを外しケースにしまう笹野君。
前に聞いたことがある。
メガネ、長時間してたら頭が痛くなっちゃうんだって。
それで、必要なとき以外はつけてないらしい。
クラスの女の子たちは、
『メガネ有りと無しのギャップが素敵!』
なんて言ってる。
それを狙ってるんじゃなかろうか……って少しだけ思ってしまうけど、多分この人は女の子たちのそんな声はうっとおしいと思うタイプの人な気がするから、違うか。
「俺はボートで渓流下りにしようかな」
「それ、人気ありそう」
「浦部さんは?」
「うーん……乳搾り&アイス作りいいなって」
そう言うと、彼はクスッと笑った。
「浦部さんっぽい。俺もそっちにしようかな、アイス好きだし」
「やりたいこと、ブレるねぇ。ゆっくり決めたらいいんじゃない?」
幸い、私達は事前に内容を知れたんだし。