シークレットシープ
「……君らしいね。じゃ、帰ろっか」
「うん」
ふたり並んで、委員会で配られた資料を持ち教室に帰ると。
教室にはクラスの中で、発言力がある女の子たちがひとつの机に集まって会話をしていた。
皆、私達の姿に気付いて、
「お疲れ様!笹野君、浦部さん」
「チョコ食べるー?」
「あっ、マシュマロもあるよ!!」
など、それぞれ声をかけてくれる。
この子たちみたいに、私も活発かつコミュニケーション能力が高い人間になりたい……。
「ありがとう。じゃあ、マシュマロもらおうかな」
笹野君が、1mmの狂いもない綺麗な笑顔を浮かべてそう言うと、女の子たちは
「マシュマロ!笹野君がマシュマロ!かわいい!」
と大歓喜。
……かわいいの?
笹野君が?
分からん。
「浦部さんは何にするー?」
テンションがあがり、ほんの少し声のトーンが高くなった女の子たちは私にも声をかけてくれた。