シークレットシープ



たまに見せる、冷たい氷を宿したみたいな瞳で。


本当にこの目は恐ろしいと思う。
笑っているのに、目が笑っていない。
鋭い感情を秘めているような、そんな目をしている。



「え!?うそ⁉だってみんな言ってるよ!?」



「みんながそう思ってるだけだよ。……ね?浦部さん」



鋭い瞳で私を見つめ、同意を求めてくる笹野君。

もしもここで、『本当は付き合ってるよ』なんて言ったら八つ裂きにされそうだな、なんて本能的に感じた。



この人は多分、自分が敵視している彼に、誰かしら拠り所があることが気に入らないんだろう。

苦手な友達が自分が持っていないおもちゃ持ってるのが気に食わないと思ってしまう、そんな一定数いそうな子どもみたいに。




「……付き合ってないんだよ、実は」



「えっ……あんなに仲いいのに……」


「深沢君と対等に渡り合えるの、浦部さんくらいだよね?」



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