シークレットシープ



極度に寝不足になった小鳥は、本当にゾンビみたいな顔してるから。



「おはよーう、そろそろチャイム鳴るから席についてとけよー」



また話題が変わり、今クールのドラマの話を小鳥としていたら担任の先生が明るい声を出しながら教室に入ってきた。

先生の声をきっかけに、ぞろぞろとクラスメイトたちは動きだし、それぞれの席に移動する。



「じゃあまたホームルームのあとに続き話そ!!」



そう言って小鳥も自分の席に向かう。

さて、私も席につきますか。


皆席についても、近くの席の人と話し始めるから教室の中は賑やか。

先生は廊下側のいちばん前の席から指さしして人数を確認している。


その指は廊下から3列目、いちばん後ろの席……私の右隣の席で、止まった。


「……浦部、隣のやつはまだか?」


「見てないです」


時計を見ると、あと1分で始業のチャイムが鳴る時間。



「遅刻かー……?」


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