シークレットシープ



「本当しつけぇ」



「逃げるから追いかけられるんだよ!!課題しようよ!!」



「お前の委員会終わったからもうしねぇ。もともとそのつもりだった」



……私を待っていてくれてたんだね。
そう思うと、少し嬉しくなった。

でも逃げるのはやっぱり反対!



階段を上ったり降りたり、廊下を駆け抜けたり。
追いかけてきていた先生の姿が見えなくなった時だった。



「こっち」



「えっ!?」



こっちってどっち!?
なんて考える暇なく、手を横に引っ張られた。

そのあと、すぐに教室のドアとカギをしめる音が真後ろで聞こえた。



……ここ、さっき委員会で使っていた教室だ。



「あー、疲れた」


「……本当に」



ドアを背もたれにし、あぐらをかいて座る深沢君の隣に、私はちょこんと体育座り。




「……さっき、ここで委員会してたんだよ」



「知ってる」



「今日の放課後はここで学級委員の集まりがあるよーっていう先生の話、聞いてたんだね」



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