シークレットシープ
先生に連れてこられたのは、職員室の隣にある倉庫の前。
先生が倉庫から出してきたのは4箱の段ボール。
「俺は3組と5組の分を運ぶから、浦部は1組と2組の分を運んでくれ」
そう言って2箱の段ボールを積み重ねて一気に持ち上げる先生。
床に取り残されている2箱の段ボールを見て顔をしかめそうになる。
2箱もあるのか……。
結構大きめの段ボールだし、2往復しないといけないかも……。
「あっ。学級委員だからって浦部に頼んだけど、よく考えたら男子に頼んだ方が良かったな!!」
それ、相当今更な発言ですよ!!
ここまで来たし、引き受けたから私がやります!!
ひとつの段ボールに手をかけ、持ち上げようとした時。
「そんなひょろっひょろの腕と足で運べるわけないだろ」
「え?」
後ろからそんな声が聞こえたと思ったら。
両肩を掴まれて、軽く後ろに引かれた。
バランスを崩し、背中を何かにぶつけた。
慌てて離れて、振り返ると。