Flower Pink







「……引き込ませたのは私じゃなくて香月の名だって言いたいんだろ?」




「え?」



口を割る桜雅さんに私は図星をつかれる。



な、なんで分かるの……!



「確かに、藍さんが築き上げた香月の名は凄いよ。でもあそこで"香月"と名乗って生徒があれだけおまえを讃えるってことは少なくともおまえは香月であることに相応しいんだよ」



「……桜雅の言う通りですよ、むしろ"香月"であることを誇りに思い、胸を張るべきです。海桜さんは少し自信なさげに見えます」



そう言う桜雅さんと一犀さんに私はジン、とくる。



「……そう、ですよね……」



「まあ、そんな自信なんてすぐつくもんじゃないけどな。ここにいて徐々につけてけばいいよ」



「……はい」



確かに……自分は香月家の純血ではなくて養子だから。って理由をつけて自信をなくしてたかもしれない。





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