Flower Pink
「……ま、全員いつ始まってもいいように心構えしとけってことだ。春橋をやらない限り橘組を東エリアから抹消できない」
「「……はい」」
全員声を揃えて返事をする。
そんなみんなの声に桜雅さんは満足そうに口角をあげた。
____……
「……橘組ってなんで高校生まで手玉にとるんでしょうか」
帰りの車の中、私はぽつりとそう言う。
だって余裕なはずじゃない。香月家と並ぶ影響力を持ってるなら。
「……高校生は言わば世間を揺るがす存在となる卵が集まってるから……そんな卵を自分たちの箱にいれたいからだろ」
「藍は……高校生の組織を傘下としていれていないのに……香月家を潰すために私を狙ってきたり本当に腹が立つ……」
そう言って拳を握りしめる私に桜雅さんはポンポンと私の頭を優しく叩いた。