Flower Pink




「……でもさ、百合はただ泣いて俺の事待ってるだけじゃなかったんだ」



「え?」



「……俺がいなくて再起不能になってたチームを百合が動かしてくれていた。だからチームは廃れなかったしトップに立つことができた」



私はその藍の言葉にドクンッと胸が打たれた。



「……言いたいことは分かるだろ、海桜……トップとQueenは一心同体なんだ……橘組も全て潰した今、海桜はなにをする?」



真っ直ぐに私を見る藍に私はまた涙が溢れた。



「桜雅さんが……いつ戻ってきてもいい状態……桜雅さんをトップに立たせる準備をする……」



……こうやって塞ぎ込んで泣いててはなにも始まらない。



「……うん、頑張れ海桜。Flower PinkのQueenがそんなヤワじゃ困る。百合が生きてたらきっと叱られるぞ」



藍はそう言って私の頭に手をポンとのせ、部屋を出ていった。





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