Flower Pink




「……奏が桜雅くんを好きだったのは言わないでよ」



「……え?」



「奏が直接伝えてないのに可哀想じゃん。このことは奏だけのものにしておく」



「……うん」



……そう言う皐月の顔は優しい表情で、私はこの時皐月も本当に奏さんのことが好きだったんだな……と感じとった。



「……とりあえず……早く起きないかね、桜雅くん。起きたら僕の方が先に起きたって自慢してやろ」



皐月はそう言ってハハッと笑った。



「ほんとだよね! 私も怒ってやるんだから」



「な」


< 383 / 434 >

この作品をシェア

pagetop