初めてのキス~sweet valentine day~
女の子たちが相原目当てでクラスに来ることは日常茶飯事。
私は休み時間の度に相原に話しかけに来る女の子たちに自分の席を譲っていた。
「ほんとに人気ね〜、楓の好きな人は。」
「ちょっと、沙耶!
ファンの子たちに聞こえたら睨まれるから......っ」
この子は浦野沙耶。
中学からの親友で、私が相原を好きってことを唯一知っている女の子。
「楓さ〜、せっかく相原に話しかけられてるんだから可愛い返答すればいいのに〜!」
その通りなんだけど.......なかなか素直になれずについつい可愛くないことを言っちゃうんだよね。
「でも.......」
「素直になれないままだと、相原とられるよ?
.......もうすぐバレンタインでしょ?
相原にチョコレートあげる女子、知ってるだけでも20人はいるよ?」
「えっ、いくら人気でも既にそんなにあげるって決めてる子いるの?!」
沙耶の言葉が胸に突き刺さる。
そうだよね、毎日話しかけに来る女の子たちを見ればそのくらいチョコレートもらいそうなのは予想できるよね.......。