うるせえ、玉の輿。
男だらけ。
うう、筋肉ある男だらけ。
だめだ、全員殴りかかってくるような、暴力振るいそうな男にしか見えない。
駄目だ。すごい男だらけで気持ちが悪い。
だめ、これは限界だ。
「すいません、会員じゃない方の入場はもう今日は――」
「津津村 丞爾を出してください。あと、近づかないでください」
「ジョージ? ああ、ジョージの恋人?」
「絶対に違います!」
髭まっちょのおっさんが、にこにこしながら近づいてくる。
けど、今にも胸筋だけで服を破りそうなほどの筋肉。
勝てなさそうな男を目の前にすると、吐き気がやばかった。
「あの、う。駄目だ。気持ち悪い」
「大丈夫ですか? 津津村ですね」
「麻琴です。業平の幼馴染が来たと、お伝えください」
「分かりました」
「あ、血祭りに来たと伝えてください」
その瞬間、髭おやじの顔がさあーっと血の気が引いたのは言うまでもない。