うるせえ、玉の輿。
「えーっと、待ってください。えーっと、……ええー?」
片手で目を押さえていたジョージさんが固まった。
今までの業平の行動の意味がようやく分かったようだった。
「まじですか?」
「可愛いと思っちゃったのよ。襲いたいけど、抱きたいけど、抱けるかわからないからちょっとベット行きましょう」
「無理ですよ! ジムの後で汗臭いし! それに俺の方が筋肉がっちがちなのに、社長に俺が抱けるわけないです!」
正論だ。正論。
真面目な性格しちゃって、ジョージさんってつまらない性格だな。
「業平、冷蔵庫の水高いけど飲んでいい?」
長くなりそうだから、あとでお金を返すので飲ませてもらおう。
業平は、もちろん頷いてくれた。
「当たり前でしょ。好きに食べて飲んでちょうだい。私はデザートに丞爾くん食べちゃうし」
吹っ切れた業平は強い。
水を飲みながら、二人を黙ってみていた。
「お、俺」
立ち上がったジョージさんの顔は赤い。
これはもしかしていける?
「俺! 俺は、麻琴さんみたいな人が、好きなんです!」