うるせえ、玉の輿。



「えーっと、待ってください。えーっと、……ええー?」

片手で目を押さえていたジョージさんが固まった。
今までの業平の行動の意味がようやく分かったようだった。

「まじですか?」
「可愛いと思っちゃったのよ。襲いたいけど、抱きたいけど、抱けるかわからないからちょっとベット行きましょう」
「無理ですよ! ジムの後で汗臭いし! それに俺の方が筋肉がっちがちなのに、社長に俺が抱けるわけないです!」

正論だ。正論。
真面目な性格しちゃって、ジョージさんってつまらない性格だな。

「業平、冷蔵庫の水高いけど飲んでいい?」
長くなりそうだから、あとでお金を返すので飲ませてもらおう。
業平は、もちろん頷いてくれた。
「当たり前でしょ。好きに食べて飲んでちょうだい。私はデザートに丞爾くん食べちゃうし」

吹っ切れた業平は強い。
水を飲みながら、二人を黙ってみていた。

「お、俺」
立ち上がったジョージさんの顔は赤い。
これはもしかしていける?
「俺! 俺は、麻琴さんみたいな人が、好きなんです!」

< 114 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop