うるせえ、玉の輿。
は、はあ?
なんでこのタイミングで?
人が告白してるときに違う人に告白するとか、こいつには良心の欠片もないのか。
信じられない。こんな人、業平にふさわしくない。
「たとえ、俺は! 麻琴さんが虹村社長を好きでも!」
「いろいろ待って!」
おかしい。おかしいじゃないか。
「まず、私は業平の子種はもらうかもしれないが、好きではない。私は、二人が結ばれたとき用の偽装結婚相手なの!」
「え……社長が麻琴さんを利用してるの?」
一瞬、ジョージさんの顔が失望するのが分かった。
業平の好感度が下がってしまう。
「ちがう。私が、利用するの。男なんて大嫌いだから、私が二人が結ばれたら、偽装結婚したかったの」
「それって、偽装でいいからそばに居たいって健気な……」
「全然違う」
だめだ。ジョージさんじゃ話にならない。
業平の方をみて、助けをともめようとしたが業平は呆然と立ち尽くしている。
あー……。
散々私に、のろけていた相手が、私を好きとか血迷ったことを言うからだよね。
「業平。違うの。この人、私のうわべだけしか見てない人だから」
「……丞爾くんと麻琴ちゃんが」
はらりと、大粒の涙が落ちた。