うるせえ、玉の輿。
「業平、誤解だから泣かないで」
はらはらと落ちてくる業平の涙に、慌てて駆け寄る。
今まで善事しかしてこなかった業平の涙は、私が知っている誰よりも綺麗だ。
こんないいひとは、悲しくて泣いていいものではない。
プロレス技とかで泣くのはよしとしても、傷ついてないてはいけない。
私のせいだ。
私なんかがジョージさんの前に現れなければ、業平は泣かなかった。
「ごめ、ごめんね、業平……」
じわりと私も涙が浮かんできた。
「わ、私、この場で切腹するから、ごめん、許して」
「いや、違うのよ。違うの。丞爾くんも大好きだけど、貴方が……貴方が普通の男の子から好意をもらうなんて、普通の恋ができるのかなって思ったら私、嬉しくて」
えええ。
丞爾くんが、ベージュの下着愛用の性格うんこな私を好きだから泣いてるんじゃないの?
家族目線?
「ふふ。三人でベット行きましょうか」