うるせえ、玉の輿。
***
でも、あの二人は両思いだ。絶対にそうだ。
俺のことを好き好き言っている虹村社長が、おままごのしてるように見えるぐらい、二人は心底お互いを理解していて、深い場所で繋がっているように見えた。
それでも、……俺だって麻琴さんをとてもサバサバしているけど可愛くて、家事もできて度胸もあって素敵だなって思っていたのに。
「はー……。フラミンゴ宅配サービスです」
一階のフロントに言うと、『社長が来るまでおかけしておまちください』とお茶を出される始末。
ただの荷物の引き取りに来た宅配業者に、お茶を出して待たせるこの意味。
この意味に、虹村社長の好意があったとやっと今日気づいたのだった。
「来た。丞爾くん!」
カツカツとハイヒールの音を鳴らしながら、胸を大きくはだけさせたピンクのブラウスと赤のジャケット、紫のウィッグの社長がやってくる。
そのスペード型のサングラスはどこで買ったんだろう。
「あの、先日は……とてもひどい暴言を吐いてしまい、本当に」
「全然、御褒美。それより、会えてよかったわ。聞いてちょうだい」