うるせえ、玉の輿。
「……直澄」
複雑そうな顔で、業平がその男の名前を呼んだ。
あ、やっぱこの人がナオズミか。
エプロンプレイが好きって汚名は、着せたままでいよう。
「私は、あんたをこれからも仕事のパートナーとして利用していきたいけど、貴方はどうなの?」
胸を隠しつつ、直澄という男も嘆息する。
「そうだな。俺も、これからも仕事のパートナーとしては手放せねえな。だから試そうとしたわけだ」
業平の魅力が、男にも伝わってきたのは嬉しい。単純に嬉しい。
が、二度と起こってほしくないけど、仕事のパートナーとしてこの先、一緒にいるっていうのはもやもやする。
業平が幸せならそれでいいと思ってたけど、直澄は駄目だ。
男の業平も妊娠してしまいそう。
「じゃあ、麻琴ちゃん、帰りましょうか」
「は? ここでこいつは殺すべきじゃないの?」
仕事のパートナーとしてってことで終わりなの?
「女の子がそんな物騒な言葉を使っちゃだめよ。私なら大丈夫だから、早く貴方の蕎麦が食べたいわ」
「でも……でも、こいつが業平に近づくの、嫌だよ」