うるせえ、玉の輿。
麻琴さんは、本当に心から自分のことが嫌いで、本当にふさわしくないと思って泣いてるんだと思う。
でも俺から言わせれば、親なんて関係ないし、親に頼らず(頼れず)強く生き抜いてきた彼女は綺麗だ。
何も恥じることなく、本当に好きな人を選べばいい。
麻琴さんと虹村社長の関係は、普通の人では理解しがたいけれど、でも絆が深いのだけは最初からわかるよ。
入り込めない何かが、二人と俺の間にはあるってことも。
「俺とエッチしたら、虹村社長は貴方を諦めるの?」
「……私とジョージさんが付き合えば、諦めてくれると思う」
まあそうだよね。君を幸せにできる相手を探して、俺に近づいてきた人だ。
そう直澄さんから聞いて、しっくりきたんだ。
「俺は貴方が好きです。貴方の強かなところ、誰にも甘えようとしない不器用で真っすぐな生き方、全部を尊敬しているし好きです」
このシチュエーションが据え膳というならば、食わねばならぬ。
たとえお酒でへろへろで、下半身が元気にならなくても。
でもそうじゃない。
必死で身を引こうとしているだけだ。
「だから、本当に俺でいいなら、抱きます。玉の輿になるかもしれないですし」