うるせえ、玉の輿。


玉の輿の基準が、借金もなく雨露がしのげる家がある人。
昨日までの俺ならば、それが達成できたかわからない。
今も、結末は分からない。

「男は皆、死ねばいいって思うし、お酒は本当に嫌いだけど、でも」
「でも?」
「ジョージさんは汚れてないから、私が触れて汚していい人じゃないって思うよ」

言いにくそうに視線を逸らしつつそういう。
が、俺にすら自分のことを下げて躊躇してしまう。

そんな君が本当に玉の輿に乗れるのかは、俺には判断ができないよ。

「じゃあどうするんですか。俺、諦めていいのか諦めないでいいのか、はっきり貴方の口からききたいんですが」

苦笑してしまう。
この人は可愛い。
本当はとても可愛い人だ。

「……私は」
「さんぴーよね」

ドアをタックルしながら入ってきた虹村社長が、息を切らしながら言う。

「危ないわ。私がお風呂の入っている間に、インスタントラーメンみたいに処女を散らそうとしている麻琴ちゃん、危ないわ。セーフ?」

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