うるせえ、玉の輿。
「抱きたいから、セックスはするけども」
「おう」
「子作りじゃなくて、愛を確かめ合いたいから肌を重ねたいの。避妊はしっかりします」
私を抱きしめながら、ベットから立ち上がり、クローゼットをあけて段ボールから何かを取り出した。
「……なに?」
「ローションとスキン。苺の匂いのスキンと、暗闇で光るスキン。ふふ。可愛いでしょ」
スキン?
業平が持っている箱を見せてもらって裏を見て固まった。
コンドームか。中学校の保険の時間に先生が筒状の棒に装着させていたのを思い出した。
ローションは、まるで香水のようなガラス瓶に入っている。
ガサガサと中をあさっている段ボールだけど、どうみてもちょっとアブノーマルな玩具が沢山入ってる。
「……業平も男なんだねえ。こんなものがあんたの部屋にあるなんて、全部焼却処分したくなる」
「なんでよー。真っ暗な中、私の暴れん坊が光ってたら、面白いでしょ。可愛いでしょ?」
「……一発芸」
枕元のベットサイドに、色んなふざけたスキンとお洒落な瓶に入っているローションが並べられた。
そしてなぜかアロマを焚いていく。
私の思っていた子作りと、業平の言っている愛のあるセックス。
同じ作業なのに、同じ工程なのに、全然雰囲気が違う。
どうしよう。すげえ、面倒くさく感じ出した。