うるせえ、玉の輿。


業平は、私が可愛いからと苺を一つ、お皿に乗せてくれた。

私なんかを可愛いという人は、世界中で業平だけだと思う。

業平は格好良くて可愛くて、綺麗でお馬鹿だけど、誰があの人を幸せにしてくれるのだろうか。

ジョージさんが、業平を全部包み込んでくれたらいいのに。


ケーキは、生クリームが甘くて上品で、商店街のスーパーで売っているような安い味ではなくて驚いた。
とてもおいしかったけど、人の金で食べる高級品はやはり落ち着かなかった。

「じゃあ、麻琴ちゃんはお客様用の部屋に寝てね。私の部屋で寝てもいいけど、私は何もしないわよ」

お風呂に入る業平が、そんな捨て台詞を吐いて消えていった。

そこまで言われたら、部屋に忍び込めと言われているような気がして、いそいそと段ボールから下着を取り出す。

「うへえ」

黒くてスケスケのキャミソール、毛の処理しないとはみ出るような小さなレースのパンツ、飾りが細かくて高そうなブラ、色んな下着が出てくるがどれも機能的に落ち着かないようなものばかりだ。

試しにスケスケのキャミソールとレースのパンツを穿いて、業平の部屋に忍び込んだ。

お姫様が使うようなドレッサーに、化粧品がきれいに並べられ、口紅がペン立てみたいな箱の中にキラキラ輝いてる。
ベッドは天蓋カーテン付きで、先に195センチのクマが乗っていた。

< 31 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop