うるせえ、玉の輿。
「ふうん?」
まだなんかしっくり納得できなかったけど、仕方ないのでベットに入るとすかさずファイルで叩かれた。
「いたっ」
「貴方ね、挑発的な格好しておいて、襲うこともせず寝ようって何?」
「襲ってほしいの?」
『がお』と両手で狼みたいなポーズをとると、呆れて首を振られた。
「違うわよ。貴方は可愛いレディなんだから、そんな格好で簡単に入ってこないで」
「裸の業平に言われたくない」
「自分の部屋で好きな格好でいいじゃないの。シルクのシーツって肌触りが最高なのよ」
確かに艶めいていて、新鮮なミルクみたいな見た目のシーツは肌触りがやばい。ずっと触っていたいぐらい気持ちがいい。
「でも、毛とか落ちないの?」
「私、毛が薄いのよねえ。落ちるようなら剃ってもいいけど」
「ほう。どれどれ」
ファイルで再び頭を叩かれた。
そしてバスローブを渋々羽織りなおして、嘆息する。
「一緒に寝るならあなたも着て。着ないなら私は客室で寝るわよ」
クローゼットからバスローブを取り出して渡されてしまった。