うるせえ、玉の輿。

「へーい。あ、胸、けっこうでかいよ。触る?」
「触らない。貴方、明日、仕事?」
「明日は、休みなんだよね。だから庭の畑を弄りたい」

業平は本当に私とエッチする気は一ミクロンもなさそうなので、私もスカートをはきながら答える。
すると私の裸を見ても真っ赤にならなかった業平は、急に耳まで真っ赤にする。

「じゃあ、明日の午前中に下着届けてもらうから。その……失礼のないようにしてちょうだいね。天然記念物に指定されそうなぐらい素敵な宅配業者さんにお願いしてるんだから」
「……ほお?」
 真っ赤な業平の顔を覗き込むと、観念したように頷く。

「私の、運命の人。間違っても婚約者とか恋人とか言わないでよ。貴方は居候。居候よ、良いわね!」

鼻息荒い業平に言われ、どの形相に四の五の言わず頷いた。

業平がこんなに興奮する美形の宅配業者って、どんな人なんだろう。

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