うるせえ、玉の輿。

「あのね、私、性格ねじ曲がってるし、貴方を好きにならないよ」
「そうですね。神格化された虹村社長がそばに居たら、俺なんて魅力ないですよね」

うん。この話は何を言ってもきっと、暖簾に腕押し。
決着がつかない気がするし、言っても言っても終わらない。
 不思議なことに、私なんかに恋愛感情を持てるなんて珍獣だ。

業平は、好きになる人のセンスがおかしいのかな。

「でも俺、諦めないです」
「それよりさ。私は性格あれだけど、業平は本当に君のことを気に入っていて大切にしてるからね?」
「はい。それは感謝していますっ」

感謝じゃなくて、愛情を持ってほしい。
けれど、彼と私の気持ちは、自分の気持ちの矢印が、相手に向いていないためにから回っている。

何を話していても、会話がかみ合わない気がして、私は家事を終わらせると、自室へ戻った。

ジョージさんはお酒を飲んでいたので、アルコールが抜けるまでソファで仮眠させてくださいと言っていた。
ソファよりも、業平のベットに寝ればいいのにね。


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