うるせえ、玉の輿。
「ごめんなさいね。埋め合わせにケーキ買って帰るから」
『何時に帰るの?』
「うーん。もしかしたら、朝帰り、かな。きゃっ」
『ジョージさん? だったらいいよ! やっちまいな!』
一応、私にプロレス技で結婚迫ってきた子のくせに。
なぜ私が男とエッチしてもいいのよ。
Goサインをもらったので、一応お礼を言いつつ電話を切った。
「今の、例の幼馴染ちゃん?」
「そうよ。私が手塩にかけて育てた、世界で一番の可愛い子ちゃん」
「紹介してよ」
「直澄は駄目。死んでも嫌。会いたいとかいうなら、あの子かあんたを監禁してやるわ」
同じ空間に存在するのも許せない。
「もー。俺はいまいち、お前のキャラがわからん。キャラブレしずぎだろ」
「そお?」
行先もつげずに、直澄は走り出す。海沿いに向かっているということはいつもの、ホットサンドが美味しいお店だとわかる。
「まあ、分からないなら、オネエでバイの業平しゃちょーのままでよろしくね」