伝えたい。あなたに。"second story"
真美side))



ゆうかが一般病棟に移ると聞いた。



これからのことを山瀬先生や健治さんともう一度話し合った。



『わかりました。一度、白紙にしましょう。』



『山瀬先生、申し訳ない。私達もこちらに拠点を移して、もう一度暮らそうと思うんだ。泰志くんとゆうかが望むならと思ったけれど、まずは、親としてそばにいてやらなければいけない。』



『はい。』



結婚も、同棲も、すべて白紙になった。



これが正しいかはわからない。



入院を繰り返して、1年遅れで高校を卒業し、大学入学を考え始めてから、1年が経った。



彼女の将来を見据えて、親として何ができるのか。



用意された正解はなかった。



いずれ2人で力を合わせて生きていけたら、幸せになってくれたら、そう思う気持ちに変わりはなかった。



それは健治さんとも考えは同じ。


< 113 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop