伝えたい。あなたに。"second story"
まだかな。


椅子に座り直してじっと待つ。


ここに来てから測った熱は未だ39度を超えていたせいか、座っているのが辛い。


もう入院患者じゃないからな、もう少し頑張らなきゃ。


壁に寄りかかって、目を瞑る。


こんなにも、しんどいものだろうか。


マスクでこもった熱のせいで余計に、体がホカホカする。


あ、まただ。


もやもやする。


息が詰まるような、脈が飛ぶような。


とっても苦しくて、冷や汗が出る。


早く順番来ないかな。


待合で豪快に倒れるのは避けたい。


ゆっくり息しなきゃ。


焦ったときはこうすれば大丈夫。


退院するときに山瀬先生に授けてもらった知識だ。


ふぅ、、


はぁ、だめだ。


もう無理。


椅子に上半身だけ横たわる。


熱が高いはずなのに体が震える。


体に力が入らない。


どうしよう、これじゃ呼ばれてもいけない。


動けませんと手をあげるのは、情けなくてしたくない。


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