伝えたい。あなたに。"second story"
日が暮れる頃。



ゆうかちゃんが目を覚ましたと連絡があった。
人が来るたび、怯えているようで。



以前より、重症になったかもしれない。
少しずつ、快方に向かっていたところだったのに。



イライラが募る。



コンコンッ



『広瀬先生、入るよ?』



誰が来たのかわかるように、声をかけてからドアを開ける。布団にほとんどすっぽりと入って、顔も見えない。



怖いのだろう。何もかも。



『ゆうかちゃん、苦しいのどう?お話できそうかな。』


『うん。』



こもった声で答えてくれた。



すると、少しだけ顔を見せてくれた。
目が真っ赤に腫れている。



心が痛む。
あまりにも辛そうで。



『ゆうかちゃん、今はどんな気持ちかな?』



『怖い。足音が怖いから、嫌なの。診察も怖い。夜になったら苦しくなる。もう、、無理。』


『うん、怖かったよね。、、、、』


その日は時間をかけて話を聞くことにした。



あの日の記憶は簡単に拭えるものじゃないし、山瀬先生が診察するときも、恐怖を感じてしまう部分はあるかもしれない。


でも、少しずつ少しずつ。


傷を癒していくしかない。
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